こんにちは、スガヤです。
リターンが2倍という事は、リスクも2倍になります。
でも「価格変動のリスクが2倍」と、言われてもピンと来ませんよね。
この記事では、レバナスのリスクとポートフォリオの組み入れる際の注意点を考察しています。
レバナスを全否定する気はありませんが、レバナスに依存する気もありません。
リスクを確認し、柔軟に対応しましょう。
投資は自己責任のもと、余剰資金の範囲内で行ってください。
レバナスとはレバレッジをかけたナスダック100の略
ナスダック100という指数にレバレッジをかけて、ナスダック100の2倍や3倍の運用成績を目指すのがレバナスです。
- 「レバレッジって具体的に何をするの?」
- 「ナスダック100ってどんな指数?」
まず、レバレッジって何?
レバレッジは「てこの原理」のこと。
自己資本だけでなく、他人の資本の力を借りることです。
- 出資者を募って資本金を増やす
- 社債を発行して資金を調達する
- 銀行からの借り入れ
- 証券会社からお金を借りて行う信用取引
自分の資金だけでは不足している時に、第三者の資金で行う大きな取引のことです。
レバナスでは証拠金をいれて、株価指数先物取引にレバレッジをかけて取引しています。
先物取引とは将来の取引をすると決めた日に、事前に決めていた価格で取引をすること。
お金を借りるわけではありませんが、証拠金以上の損失が出ることもあります。
先物取引の怖いところは、予想とは違った値動きをすれば損失も大きくなるところです。
先物取引で、レバレッジをかけて大きな取引をしようとすれば、支払いきれない大きな損失を負う可能性もあります。
リターンが2倍ならリスクも2倍!
ナスダック100ってどんな指数?
ナスダックとは、アメリカの株式市場の名称です。
新興企業が多く上場していて、マイクロソフトやアップル、テスラなどが上場しています。
ハイテク関連やIT関連の企業が中心の、世界最大規模の株式市場です。
ナスダックに上場している約3000の銘柄の中から、時価総額上位100社の加重平均を算出した指数が、ナスダック100。
組入上位銘柄 | 構成比率 | |
1 | アップル | 11.3% |
2 | マイクロソフト | 9.2% |
3 | アマゾン | 5.0% |
4 | エヌビディア | 4.2% |
5 | メタ | 3.7% |
6 | テスラ | 3.1% |
7 | ブロードコム | 2.9% |
8 | アルファベット クラスA | 2.9% |
9 | アルファベット クラスC | 2.9% |
10 | ペプシコ | 2.1% |
構成比率 合計 | 47.3% |
上の表がナスダック100の構成銘柄の上位10社です。
3000社の内のたった100社ですが、ナスダック全体の時価総額の7割を占めています。
その内、たった10社で構成比率の合計が約50%。
市場全体に広く分散投資することを目的とした、インデックス投資の理念から少しかけ離れているように感じます。
業種がIT関連銘柄やハイテク株に偏っていることも気になります。
レバナスのリスク⁈3つのポイントから最悪の事態を考える
レバナスの危険性を考えた時、3つのポイントが気になります。
ナスダック100はボラティリティが大きい
レバレッジをかけるリスク
ナスダックがIT関連銘柄やハイテク株に偏っていること
ボラティリティが大きい?ナスダック100の価格変動のリスク
ボラティリティとは価格変動の事。
ナスダック100はS&P500よりも大きなリターンを上げています。
株価の上昇率が高いということは、下落率も高いです。
振り子と同じで、右に振れた分だけ左にも振れます。
- ITバブル崩壊時の高値は2000年3月。
- 下落を続け2002年10月に底値になりました。
- 高値から見ると-89%下落しました。
- 株価が回復したのは2000年3月の高値から、14年6ヶ月後の2014年の10月です。
- ナスダック100は約15年間も低迷していました。
リターンも大きい分下落の幅も大きく、価格変動リスクが大きいです。
S&P500より大きなリターンを上げるという事は、下落した時の損失もS&P500より大きくなります。
リターンに気を取られがちですが、リスクにも目を向けましょう
レバレッジをかけるリスク
一攫千金の言葉通り、夢のある急上昇をするレバナス。
急上昇する理由は、レバナスがナスダック100指数の、値動きの2倍程度になることを目指しているからです。
基準価格の値動きについて
ファンド保有期間が2日以上の場合の投資成果は、通常「2倍程度」になるわけではありません。以下の[例1]および[例2]をご参照下さい。
[例1]翌日にナスダック100指数が10%下落し、翌々日にナスダック100指数が10%上昇した場合
基準日 翌日 (前日比) 翌々日 (前日比) 翌々日と基準日の比較 NASDAQ100指数 100 90 -10% 99 +10% -1% 当ファンドの基準価格 100 80 -20% 96 +20% -4% 「翌々日」と「基準日」とを比較し、
当ファンドの基準価格は(96-100)÷100=-4%であり、
NASDAQ100指数(99-100)÷100=-1%の2倍とはなっていません。
[例2]翌日にNASDAQ100指数が10%上昇し、翌々日にNASDAQ100指数がさらに10%上昇した場合
基準日 翌日 (前日比) 翌々日 (前日比) 翌々日と基準日の比較 NASDAQ100指数 100 110 +10% 121 +10% +21% 当ファンドの基準価格 100 120 +20% 144 +20% +44% 「翌々日」と「基準日」とを比較し、
当ファンドの基準価格は(144-100)÷100=44%であり、
NASDAQ100指数の値動き(121-100)÷100の2倍とはなっていません。
iFreeレバレッジNASDAQ100 投資信託説明書より引用
連続した2日間の運用成績を比べると、レバナスが必ずしも2倍の運用成績にならないことが分かります。
長期的に見て指数が上がり続ける保証はありません。
逆に、一定期間保有すると価格が大幅に値下がりことはあります。
長期的に見ると2倍以上の値動きになる可能性が高いです。
レバナスは長期投資には向きません。
短期間で一攫千金を狙う投機と言えるでしょう。
分散の効果ある?ハイテク株やIT関連銘柄に偏り過ぎてない?
インデックス投資の利点は市場全体に分散投資をして、成長を取りこぼさないこと。
IT業界が低迷しても、ほかの業界でカバーすることでリスクを軽減できます。
ナスダック100はIT企業やハイテク企業が多くを占めています。
IT業界が低迷した2000年のITバブル崩壊からナスダック100は、指数が回復するまで約15年かかりました。
S&P500やオルカンに投資をしていれば、「防げたリスク」や「取り込めたリターン」は間違いなくあります。
ナスダック100は分散投資の効果は小さくメインの投資先としてはおすすめできません。
大きなリスクを負ってまでレバナスに投資をする必要はあるのか?
- 「レバナスに100万円を投資していたら、〇〇年後には××億円に増えます。」
- 「ドルコスト平均法を使って、レバナスに毎月〇〇円積立投資をするだけで億り人になりFIRAできます。」
レバナスのリスクは大き過ぎます。
レバレッジをかける必要なんてないし、余剰資金を全額ナスダック100に使う必要もありません。
ITバブルの時の高値を20年かかって更新したレバナス。
日経平均の最高値は、1989年12月29日の38,915円。
2023年の今現在でも、更新されていません。
次にナスダック100が暴落した時に、20年後に高値を更新できる根拠はありません。
そんな投資を定年を迎えるまで続けられますか?
「今から投資を始めて、老後にゆとりのある生活を送りたい。」と思うのなら老後資金として管理しましょう。
老後資金は余剰資金ではありません。
リスクの大き過ぎる投資をするのではなく、堅実な投資をしましょう。
どうしてもレバナスに投資をしたい?それなら「オルカン+レバナス」
オルカンに投資をいる人が米国株の割合を増やすために、レバナスに投資するなら大丈夫だと思います。
オルカン2万5千円+レバナス5千円。
トピックス2万+レバナス1万。
アメリカ以外の地域にも投資をしている人が、アメリカ株の割合を増やすためにレバナスに投資をするなど、工夫が必要だと思います。
ちなみに、自分は新NISAから「S&P500+トピックス」で積み立てる予定です。
レバナスではなく、ナスダック100を検討中。
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